実際に他県から玉名市へ進出した
企業にお話を伺いました。
株式会社京写様
九州工場長
船津 修さん
事業内容を
教えてください
片面プリント配線板の製造及び販売を行なっています。プリント配線版とは、あらゆる電気製品に必ず入っているもので、半導体や電子部品同士の接続を担う重要な役割を果たしています。弊社は自動車関連の部品メーカー、国内家電メーカー、照明メーカーなど180事業所と取引しており、一月あたりの生産量は約7万平米。LED基盤関連、自動車関係が売上の約7割を占めています。近年は昨今の世界情勢や為替の影響で、生産の回内回帰を望まれるメーカー様が増えてきました。この追い風に乗り、今後は新工法・新技術の開発にも取り組んでいく予定です。
玉名市に進出することとなった
経緯を教えてください
弊社のルーツは、京友禅染めの捺染用スクリーン型の製造販売です。その技術を活かしたプリント配線板の製造開発を1967年に開始し、それから5年後の1972年、ここ玉名市に片面プリント配線板・捺染型の製造拠点として九州第一工場を設立しました。その2年後にはプリント配線板専用の九州第二工場もでき、1981年に今の九州工場に集約しています。玉名市を選んだ理由としては、初代社長が新婚旅行で玉名温泉に訪れたことがきっかけだったと聞いています。大牟田の三池炭鉱の奥座敷として栄えた歴史や、この風土に魅力を感じたのでしょう。当時はかなり賑わっていたので、雇用の面でも期待があったようです。
玉名市に拠点を
置いて
よかったことは
ありますか
九州工場は他の工場と比べて、社員比率が非常に高いという特徴があります。それはほとんどが地元の方だから。地元採用が多いのは、地方ならではだと思います。同じ地域で生まれ育っているからか考えが近いところもありますし、コミュニケーションも取りやすいようで、アットホームな雰囲気です。離職率が低いことで、地元の高校からの信頼もいただいています。高校の先生方が定期的にいらっしゃいますが、まず聞かれるのが卒業生の勤続状況。弊社は退職者が少ないので、毎年指定校推薦で優秀な学生さんを送っていただけるのかなと思います。学生さんに地元就職してもらうための取り組みも、玉名市さんと一緒に行っています。
玉名へ進出した企業として
メッセージをお願いします
玉名市は災害が少ない地域だと思います。平成28年熊本地震の際も、稼働に影響が出たのは1日のみ。製造業にとって安定供給は何よりも重要なことなので、それは有り難いです。台風や水害も少なく、比較的気候もいい。きれいな水も豊富にある。玉名市は、ものづくりに適した環境だと感じています。あとは協力会社様が増えると嬉しいですね。九州全体でものづくりのリードタイムを短縮できれば、さらなる発展が期待できるはずです。弊社も玉名市さんにお世話になって50年弱になりますが、工場を継続することが一番の地域貢献だと思うので、今後も事業が継続できるよう努めていきます。
愛三熊本株式会社様
代表取締役社長
尾崎 洋さん
事業内容を
教えてください
愛知県にあるトヨタ系の自動車部品メーカー・愛三工業のグループ会社として、キャニスタ、EGRバルブ、そして愛三工業初のMPAといった自動車用機能部品を生産しています。取引先はトヨタ系が6割を占めますが、国内の自動車メーカーには大体納めています。弊社が最も注力しているのが、品質管理。1日に何千台と生産していても、人の命を預かる自動車の部品メーカーとしては1台の不良も許されません。不良率0%を維持するためにしっかり品質保証を行い、良いものだけをお客様に納めるよう努めています。その成果もあって、弊社は2年連続でトヨタ自動車九州さんより品質優秀賞をいただきました。
玉名市に進出することとなった
経緯を教えてください
愛三熊本は2008年、愛三工業初の県外拠点として設立しました。九州進出の目的は、お得意先であるトヨタ自動車九州さんへの物流コストを抑えることと地方の雇用機会を創出すること。候補地は九州内でもいろいろあったようですが、玉名市にした理由は一番対応が良かったからだと聞いています。玉名市さんの熱心な誘致が決め手になったようです。実際、この地で安定したものづくりができており、近い将来、事業拡大や工場増設も検討しています。
玉名市に拠点を
置いて
よかったことは
ありますか
まずは、お客様が近いということです。たとえばトヨタ自動車九州さんの場合、愛知の愛三本社からも製品を納めています。それらについても弊社がお客様の元へ駆けつけられ、迅速に対応できるというのは大きなメリットです。また玉名は、愛知本社にも帰りやすいんですよ。新幹線で博多まで出てそのまま地下鉄で福岡空港へ行けば、名古屋までの便が多く出ています。福岡からは全国どこへでもたくさん飛行機が出ていますし、福岡空港までのアクセスが良いのは本当に便利です。福岡にはすでに多くの企業さんが進出しているので、採用のチャンスがあるという点でも玉名市は魅力でした。
玉名へ進出した企業として
メッセージをお願いします
玉名市役所の方々は、本当に面倒見がいいと感じています。誘致いただいた際に関わっていた愛三本社の担当者も、玉名市のみなさんといまだに交流があるくらい。深いお付き合いができるのは、安心です。困ったときは、ちゃんと動いてくれるという信頼もあります。昨年、弊社が設備投資した際も、固定資産税優遇制度の手続きを丁寧に教えてもらえました。市の方々とは誘致企業連絡協議会の懇親会や忘年会などを通じて、今も仲を深めています。私は愛知から来ましたが、玉名市は生活しやすいという印象です。人とのつながりが強いので、子育てもしやすいのではないでしょうか。気さくな人が多い、いいところだと思います。